これは過言であり一般的な物差しだと、『氷の城壁』は恋愛漫画に分類されることは理解しているが、敢えて学園バトル漫画だと言い張らせて欲しい。

本作は、主人公の氷川小雪(以下、こゆんと呼ぶ)が閉鎖的な故郷の村(中学)でかけられた呪いを、自由の風が吹く遠くの街(高校)で解いていく物語である。その過程で仲間が増えて、敵と交戦していく(その中で友情と恋というテーマも含まれている)
なお、本記事は未読の人を対象にしているが、若干のネタバレを含むので、一切ネタバレNGの人は注意して欲しい。
簡単なあらすじ
故郷の村(中学)から逃げるようにして,遠く街(高校)へ上京したこゆん。知っている人などほとんどいない街で、呪いを纏うこゆんは氷の城壁を築いて他人を寄せ付けずにいた(エルサみたい)
同じ故郷から一緒に来てくれた美姫(みき)だけが唯一心を許せる仲間であった。やがてこゆんは、美姫のギルド(塾)の仲間である、陽太(ようた)と湊(みなと)との交流を通じて頑なな態度を少しずつだが軟化させる。
しかし、故郷での宿敵、五十嵐(こゆんが嫌いな中学の同級生)が湊が属する別のギルド(サッカー部)に戦いを挑みに乗り込んできた(他校との練習試合)
立ちはだかる敵
ファンタジーに置き換える件はここで終わりにします。
高校には嫌いな五十嵐の内通者がおり、こゆんは新天地で窮地に立たされるが、それは勘違いであり、こゆんの安穏な高校生活は一度は守られる。こんな感じで、中学の関係者がちょくちょく現れてはこゆんが窮地に立つ場面が多々あり、読んでいてはらはらし、ONE PIECEの読後感と似ている。以下、ワンシーン引用する。

女性がこゆん、「誰だ」って思っているのが湊、白髪がこのシーンで初登場の新キャラである。これが5巻の最終コマである。引きがすごい。
もう一つ引用する。お団子の女性が新キャラであるが、この緊張感もうバトル漫画でしょう。

悲しき過去編
こゆんがかけられた呪いについての過去回想編が入る。これもバトル漫画でよくある展開だ。ネタバレになるので深くは言えないが、こゆんは中学で一方的に呪いをかけられただけではない。呪詛師(敵対する中学の同級生)から自分を守るために交戦を選択したのだ。

このシーン本当に好き。最初に読んだのは会社の昼休みだったのが、あまりの展開に興奮して午後仕事に手がつかなかった記憶がある。ちなみにこの後、本当に誇張ではなく物理戦闘シーンに突入する。
とんでもないラスボス
以上の通り多少のバトル展開や、昨日の敵は今日の味方的な展開が続くのだが、途中マジのラスボスが登場する。ネタバレになるのでその正体は明かさないが、今までの中ボスとはレベルが違う。例えるならCP9のような絶望感である。

こゆん、勝てるよね…?
なお、このラスボスにも敵としてこゆんに立ちはだかる背景と理由と宿命があり、私もかなり好きなキャラクターの一人である。こゆんよりもこの敵に共感する読者も多いのではないだろうか。良いバトル漫画は敵キャラも魅力的だ。
最後に
なお、本作品は承知の通り恋愛漫画に定義されるのが正しい。
したがって、当然こゆんの恋路の話がメインではあるが、恋を通じてこゆんが呪いを解く物語である。ちなみに、「呪い」というワードは私が勝手に言っているのではなく、作中で言及されるワードである。呪いに言及するシーンで特に好きなものを引用したかったのだが、重大なネタバレを含むので控える。
10話まで無料みたいなので、ぜひ読んでほしい。
次回、ある敵キャラにフォーカスして感想を書きたい(ネタバレあり)
